■IE依存アプリケーションを使い続けるリスク
【セキュリティの脆弱性】
IEのリスクとして、セキュリティの脆弱性が第一に挙げられます。
実際に2014年には、IEの脆弱性を悪用したインシデントが発生しています。
オンラインバンキング(みずほ銀行、ゆうちょ銀行)のパスワード入力時に
偽画面が表示され、パスワードが窃取されました。
近年、リモートワークをターゲットにしたサイバー攻撃が増加し、
ハッカーによるソフトの破壊や攻撃の踏み台となる事象もあり、
IEを使い続けるセキュリティリスクは重大です。
IEサポート終了後はパッチの提供がなくなり、脆弱性は放置されることになります。
サポート終了したIEの使用はしない、ことを徹底しましょう。
■代替ツールは何があるのか?
公式発表されている代替ツールは同じMicrosoft社のブラウザ「Microsoft Edge」です。
IEに代わるブラウザとして開発され、Windows10から搭載されるようになりました。
2018年にはレンダリングエンジンをChromiumに変更しています。
大きな特徴としては「IEモード」を搭載していることが挙げられ、
IE11サポート終了日以降も、IEベースで構築されているWebサイトやアプリを
Microsoft Edge上で利用できます。
日本では一部の公的機関で未だに残る、
推奨環境がIEのみに対応しているサイトなどを利用する際に重宝します。
このIEモードは少なくとも2029年まではサポートする予定であることが発表されています。
参考:https://docs.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/faq/internet-explorer-microsoft-edge
IEモードを利用する必要がなさそうであれば、
メジャーなところではGoogleが提供しているchromeやMozillaが提供しているFirefoxなどが
代替ツールとして挙げられるかと思われます。
■システム担当者、経営者が確認しておくこと
①社内のブラウザ利用状況の把握
社内でIEを利用している実態があればアナウンスを行い、
サポート終了時に戸惑わないように代替ツールの案内を含め事前に何度か行う必要があります。
②社内システムのブラウザベースシステムの推奨環境確認
古くから社内で使用しているブラウザベースのシステムの場合、
推奨環境がIEに限定されている可能性が0ではありません。
そうした場合には事前に代替環境での検証を行い、
状況によってはリプレイスなども視野に入れた対応が必要となります。
③社外(取引先)のウェブサービス等での推奨環境の確認
社外の取引先のサービスをブラウザベースで受けている場合、
その推奨環境がIEのみである場合影響が出てしまいます。
※ただし現在はごく少数に限られると思われます。
④更新状況の確認とサポート
こちらもごく少数かと思われますが、人によってはIEを使いたいために
Windows Updateを実行しないことでIEを使い続けようとする人がいるかもしれません。
更新状況を確認し、セキュリティリスクを保持しないよう事前に説明のうえ
代替ツールを案内して使えるようにサポートが必要です。