『更新しました』で終わらせていませんか?─WinRAR事例が示す、パッチ管理の盲点

『更新しました』で終わらせていませんか?─WinRAR事例が示す、パッチ管理の盲点

サイバーレジリエンス株式会社
※本号はAIで執筆した文章を筆者が監修しています。

今朝は、
「脆弱性を修正しても、被害が止まらない」
という、セキュリティ対策の本質的な課題についてお伝えします。

■ 「修正済み」なのに、なぜ被害が続くのか

2026年2月、Google Threat Intelligence Groupが警告を発表しました。

⚠️ Google の警告

「2025年7月に修正されたWinRARの脆弱性が、
半年以上経った今も、世界中で悪用され続けている」

修正版はリリースされています。
対策方法も公開されています。
それでも、被害は止まっていません。

なぜでしょうか?

答えは単純です。

💡 本質的な問題

「修正版がリリースされた」ことと
「すべての環境で更新された」ことは、
まったく別の話だからです。

■ WinRARが示す「見えない脆弱性」の実態

今回問題となっているのは、
圧縮・解凍ソフト「WinRAR」です。

【なぜWinRARが狙われ続けるのか】

理由は3つあります。

① 自動更新機能がない

  • インストールしたまま放置されやすい
  • ユーザーが意識的に更新しない限り、古いバージョンのまま

② 広く普及している

  • 全世界で5億以上のユーザー
  • 企業での利用も多い
  • 攻撃者にとって「確実に存在する標的」

③ 管理の優先度が低い

  • 「ただの解凍ソフト」という認識
  • セキュリティパッチ適用の優先順位が低い
  • IT資産管理の対象外になりがち

つまり、

⚠️ 攻撃者にとって理想的な標的

「広く使われているのに、更新されにくい」

攻撃者にとって、これほど都合の良い標的はありません。

■ 「うちは大丈夫」が最も危険な理由

【誤解① 「WinRARは使っていない」】

❌ よくある思い込み

「IT部門で導入していないから、使われていないはず」

✅ 現実

  • IT部門が把握していない端末に、個人でインストールされている
  • 過去に使用していた端末に、そのまま残っている
  • 全端末の棚卸しをしない限り、「使っていない」とは言えない

【誤解② 「政府機関が狙われているから、うちは関係ない」】

❌ よくある思い込み

「高度な攻撃は大企業や政府機関だけが標的」

✅ 現実

  • 今回、東南アジアの政府機関が狙われたのは事実
  • しかし同じ脆弱性は、金銭目的の攻撃者も使っている
  • 「高度な攻撃=特定の組織だけ」ではない
  • 脆弱性は誰でも悪用できる

【誤解③ 「修正版が出ているなら、もう安全」】

❌ よくある思い込み

「修正版がリリースされたから、もう問題ない」

✅ 現実

  • 修正版がリリースされても、実際に更新しない限り脆弱性は残る
  • 2025年7月に修正されたのに、2026年2月の今も悪用され続けている
  • 「修正された」と「自社環境で対策済み」は別の話

■ 本質的な問題:「自動更新できないソフト」を放置していませんか?

WinRARは氷山の一角です。

他にも、自動更新機能がないソフトウェアは数多く存在します。

【よくある「自動更新できないソフト」の例】

  • ✔ 圧縮・解凍ツール(WinRAR、7-Zip等)
  • ✔ PDFリーダー(古いバージョンのAdobe Reader等)
  • ✔ メディアプレーヤー
  • ✔ 特定業務で使用する専用ソフト
  • ✔ 開発ツールやユーティリティ

これらは、

  • インストールしたまま放置されやすい
  • セキュリティパッチの適用が後回しになる
  • IT資産管理の対象外になりがち
  • しかし、攻撃者は確実にチェックしている

■ 攻撃者の視点:「確実に残り続ける入口」を探している

今回のWinRAR事例で、攻撃者の戦略が明確になりました。

【攻撃者の思考プロセス】

① 広く使われているソフトを特定

→ WinRARは全世界で5億ユーザー

② 自動更新されないソフトを優先

→ 手動更新が必要=古いバージョンが残りやすい

③ 脆弱性が修正されても諦めない

→ 修正版が出ても、更新しない環境は必ず残る

④ 半年、1年と継続的に悪用

→ 「修正済み」でも、実際には脆弱な環境が大量に存在

つまり、

💡 攻撃者の戦略

「修正版が出たから終わり」ではなく
「修正版が出たから、更新していない環境を狙い始める」

これが現代の攻撃者の戦略です。

■ 今、確認すべき3つのこと

【✅ 確認① 「見えないソフトウェア」の棚卸し】

📋 今週中にやること

  • 全端末にインストールされているソフトウェアのリスト化
  • 特に「自動更新機能がないソフト」を優先的に洗い出す
  • 管理対象外の端末(個人PC、持ち込み端末等)も含める

チェックポイント

  • □ IT部門が把握していないソフトはないか?
  • □ 使用頻度が低く、放置されているソフトはないか?
  • □ 「便利だから」と個人判断でインストールされたものはないか?

【✅ 確認② 「更新の仕組み」があるか】

📋 今週中にやること

  • 自動更新できないソフトの更新方法を確認
  • 定期的なバージョンチェックの仕組みを検討
  • 使用していないソフトはアンインストール

チェックポイント

  • □ 誰が、いつ、どうやって更新するのか明確か?
  • □ 更新漏れを防ぐ仕組みはあるか?
  • □ 「とりあえず入れた」ソフトが残っていないか?

【✅ 確認③ 「ファイルの受け取り方」のルール】

📋 今週中にやること

  • メール添付やチャット経由のファイル(ZIP、RAR等)の取り扱いルールを確認
  • パスワード付きファイルの受信ルールを明確化
  • 不審なファイルを開いた場合の報告ルートを周知

チェックポイント

  • □ 「とりあえず解凍してみる」という習慣はないか?
  • □ パスワードが別メールで届くファイルを安全だと思い込んでいないか?
  • □ 不審なファイルを開いてしまった場合、誰に報告すればいいか明確か?

■ セキュリティ対策の本質:「やったか」ではなく「効いているか」

今回のWinRAR事例が示しているのは、

💡 重要な認識

「対策したかどうか」ではなく
「対策が実際に効いているかどうか」

が重要だということです。

【よくある「やったつもり」の罠】

「脆弱性対策の方針は決めた」

→ でも実際の更新は属人的で、漏れが発生

「セキュリティソフトは導入している」

→ でも古いソフトウェアの脆弱性は防げない

「従業員教育はやっている」

→ でも「解凍するだけで感染する」リスクは伝わっていない

【効果的な対策の条件】

可視化されている

  • どの端末に、何がインストールされているか把握できる

自動化されている

  • 人の判断に依存せず、更新が行われる仕組み

検証されている

  • 対策が実際に機能しているか、定期的に確認

継続されている

  • 一度やって終わりではなく、運用として定着

■ WinRARの具体的対応(今週中)

【immediate action(即時対応)】

① バージョン確認

  • 対象: WinRAR 7.13 未満(Windows版)
  • 方法: 「ヘルプ」→「WinRARについて」でバージョン確認
  • 対策: WinRAR 7.13 以降へ更新、または削除

② 暫定的な防御策

  • メールゲートウェイでRAR/ZIPファイルの制御強化
  • サンドボックス環境での事前検証
  • 不審なファイルの隔離ルール設定

③ 従業員への注意喚起

  • 「解凍するだけで感染する」リスクの周知
  • 不審なファイルを受け取った場合の報告ルート確認

【根本的な対策(今月中)】

① ソフトウェア資産管理の整備

  • 全端末のソフトウェアインベントリ作成
  • 自動更新できないソフトのリスト化
  • 使用していないソフトの削除

② 更新プロセスの確立

  • 定期的なバージョンチェックの仕組み
  • 更新漏れを防ぐアラート設定
  • 責任者と手順の明確化

③ 代替ソフトの検討

  • Windows標準機能での代替可否
  • より安全な代替ソフトの検討
  • 業務プロセスの見直し

■ まとめ:パッチ管理の本質は「継続的な可視化」

⚠️ 今回のWinRAR事例から学ぶべきこと

  • 「修正版リリース」=「対策完了」ではない
    → 実際に自社環境で更新されているか確認が必須
  • 自動更新できないソフトは「時限爆弾」
    → 放置すれば確実に狙われる
  • 「うちは大丈夫」が最も危険
    → 見えていないリスクこそが本当のリスク
  • 攻撃者は諦めない
    → 修正後も、更新していない環境を半年、1年と狙い続ける
  • セキュリティは「やったか」より「効いているか」
    → 継続的な確認と検証が不可欠

💡 最も重要なこと

「今、自社の環境がどうなっているか」を
正確に把握することです。

見えないものは、守れません。

気になる点があれば、
個別に状況を伺いながらのご相談も可能です。
お気軽にご連絡ください。

本日も、どうぞ安全な一日をお過ごしください。

■ 参考情報

※2026年2月6日時点の情報です。
最新情報は各公式サイトで確認してください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

弊社の社名となっている「レジリエンス」は、
「回復力」や「弾性」を意味する英単語です。

つまり、環境の変化や突発的な事象に対して
しなやかに粘り強く対応していく
立ち位置を意味しています。

目まぐるしく変化する時流の中で、
それを見極めつつ流されない解決策を提案致します。

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