決算で焦る時期:AI音声なりすまし詐欺に注意!
「社長の声だったから信じた」
AI音声なりすまし詐欺が示す経営リスク
サイバーレジリエンス株式会社
※本号はAIで執筆した文章を筆者が監修しています。
【要約版】
「社長の声だったから信じた」
その判断が、数分で数千万円〜数億円の被害につながる時代になっています。
今、実際に被害が確認されているのが
AIによる音声なりすまし詐欺です。
⚠️ 典型的な攻撃の流れ
- ✔ 社長や役員の声をAIで再現
- ✔ 電話で「至急」「今すぐ」「誰にも言わずに」と指示
- ✔ 経理・総務が通常ルールを飛び越えて送金
メール対策は進んでいても、
「声・電話」への対策ができていない企業が非常に多いのが現状です。
重要なのはツールではなく、
"その指示を疑っていい仕組みがあるか" です。
【詳細版】
■ わずか10〜15秒で音声クローン作成が可能に
近年の生成AIの進化により、
わずか10〜15秒の音声データがあれば、本人そっくりの声を再現できるようになりました。
📊 最新の音声クローン技術
- Marvis TTS: わずか10秒で音声クローン作成可能
- OpenAI Voice Engine: 15秒の音声サンプルで再現
- ElevenLabs: 数秒〜1分程度で基本的なクローン作成可能
これらの技術は本来、医療や教育など正当な目的で開発されましたが、
詐欺グループによって悪用されています。
実際の被害事例では、
・社長の過去の講演動画
・社内向けメッセージ
・SNS動画
などが、音声生成の材料として使われる可能性が指摘されています。
■ 実際に起きている被害事例
【国内事例】
📌 2025年3月:香川県の企業
- 被害額: 約5,000万円
- 手口: 金融機関を名乗るボイスフィッシング詐欺
- 経緯: 銀行の自動音声システムを装った電話により、経理担当者が送金手続きを実行
📌 2025年3月:山形電鉄
- 被害額: 約1億円の不正送金被害
- 手口: 山形銀行を装う偽の自動音声電話
- 影響: 企業の資金繰りに深刻な影響
【海外事例】
📌 2024年:香港の多国籍企業
- 被害額: 約37.5億円(2億香港ドル)
- 手口: ビデオ会議で最高財務責任者(CFO)になりすました詐欺集団
- 特徴: 複数の参加者がディープフェイクだった
- 手法: 事前に入手した動画・音声データからAIで生成した偽の映像を使用
香港警察は、この事件を受けて「AIを使った詐欺が新たな段階に入った」と警告しています。
📌 2019年:英国エネルギー企業
- 被害額: 約2,600万円(22万ユーロ)
- 手口: ドイツ本社CEOの声をAIで再現し、英国支社のCEOに電話
- 指示内容: 「ハンガリーのサプライヤーへの緊急支払い」を要求
- 特徴: CEO特有のドイツ訛りまで再現され、疑う余地がなかった
この事例は、AI音声詐欺の初期の事例として広く知られており、
「声の認証だけでは本人確認として不十分」という教訓を残しました。
これらは氷山の一角に過ぎず、
報告されていない事例も多数存在すると考えられます。
■ 特に狙われやすい組織の特徴
⚠️ 攻撃者が狙う3つのタイプ
- 決裁が速い会社
→ スピード重視の文化が裏目に - 「社長の指示は最優先」という文化
→ 疑問を持ちにくい組織風土 - 経理・総務が少人数で回っている組織
→ 相互チェック体制の欠如
攻撃者は技術だけでなく、
人の心理と組織の弱点を突いてきます。
よく使われる心理的な誘導
🎯 冷静な判断を奪う言葉
- 「今トラブルが起きている」
→ 緊急性を演出 - 「今日中に処理しないと大問題になる」
→ 時間的プレッシャー - 「極秘案件だから、他に確認しなくていい」
→ 孤立した判断を強制 - 「私が直接指示しているんだから」
→ 権威への服従
■ 多くの企業が見落としがちなリスク
① 「メール対策はしているから大丈夫」という誤認
多くの企業が、なりすまし対策として
・メールの送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)
・標的型攻撃メール訓練
などを実施しています。
しかし、「声・電話」に対する対策は明確なルールがない企業が大半です。
攻撃者はこの盲点を突いてきます。
② 「うちは決裁ルールがあるから大丈夫」という過信
多くの企業には決裁規程がありますが、
「緊急時の例外対応」が曖昧になっていることが少なくありません。
⚠️ よくある危険なパターン
- 「社長から直接言われた場合は例外」という暗黙のルール
- 「急ぎの案件は後で稟議を通す」という運用
- 「電話での指示は記録に残らない」ため検証不可能
③ 「電話や音声指示を疑ってもいい空気」がない
最も重要なのは、組織文化です。
「社長からの電話を疑うなんてありえない」
という空気があると、従業員は確認を躊躇します。
むしろ、
「確認することが評価される文化」
を作ることが、最大の防御策です。
■ 今すぐ確認すべき3つのポイント
✅ 経営層がチェックすべき項目
① 本人確認のルールは明確に決まっているか
- 電話での送金指示は「必ず」どのように確認するか文書化されているか
- 緊急時でも例外なく適用されるルールになっているか
- 確認手段(折り返し電話、別チャネルでの確認など)が具体的に定められているか
② 電話や音声指示を"疑ってもいい"空気があるか
- 「確認することが失礼」という雰囲気はないか
- 過去に「確認したことで叱責された」事例はないか
- 疑問を持つことが推奨される組織文化か
③ 緊急時の確認フローが共有されているか
- 全従業員が緊急時の対応手順を知っているか
- 定期的に訓練や確認が行われているか
- 実際に機能するフローになっているか(形骸化していないか)
■ 具体的な対策の実装例
【レベル1:即座に実施可能な対策】
📋 今週中に実施できる対策
- ダブルチェック体制の徹底
→ 一定額以上の送金は必ず2名以上で確認 - 折り返し電話ルールの導入
→ 送金指示を受けた場合、必ず社内の既知の電話番号に折り返し確認 - 合言葉の設定
→ 緊急時の本人確認用の秘密の合言葉を設定 - 従業員への注意喚起
→ AI音声詐欺の実例を共有し、警戒を促す
【レベル2:組織的な対策】
📋 今月中に実施すべき対策
- 決裁ルールの明文化と周知
→ 緊急時でも例外なく適用されるルールを文書化 - 訓練の実施
→ なりすまし電話を想定した実践的な訓練 - 公開音声データの管理
→ 役員の音声が公開されている動画・音声の棚卸し - 監視体制の構築
→ 不審な送金パターンの検知システム導入
【レベル3:技術的な対策】
📋 今四半期中に検討すべき対策
- 多要素認証の導入
→ 送金システムへのアクセスに生体認証などを追加 - AIディープフェイク検知ツールの導入
→ 音声・映像のAI分析による検知 - 取引先との認証プロトコル確立
→ 振込先変更時の確認手順を取引先と合意 - インシデント対応計画の策定
→ 被害発生時の対応フローを事前に準備
■ 2026年度の制度変更:取引条件に影響
経済産業省は2025年12月、
「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」の構築方針を公表しました。
2026年度から正式に運用開始される見込みです。
⚠️ 企業への影響
- 企業のセキュリティ対策レベルを★3〜★5の段階で評価・公開
- 発注側企業は、取引先選定の際にこの格付けを参考に
- 未対策企業は取引機会を失うリスクが高まる
- セキュリティ対策は「コスト」から「経営資産」へ
■ 最後に:サイバー対策はシステムだけで完結しない
今回のAI音声なりすまし詐欺の事例は、
「技術だけでは防げない脅威」の存在を示しています。
多くの企業で、
「何となく個人の判断」に任されているのが実情です。
サイバー対策は
システムだけで完結するものではありません。
最終的に守るのは、判断する"人"です。
✅ 今すぐできる最初の一歩
- 経理・総務担当者に「AI音声詐欺」の存在を伝える
- 「確認することは失礼ではない」という文化を作る
- 緊急時の本人確認手順を明文化する
もし
• 「うちは電話指示のルール、明確じゃないかも」
• 「経理任せになっているかもしれない」
• 「具体的に何から始めればいいか分からない」
と感じられた場合は、一度立ち止まって整理することをおすすめします。
当社では、
音声・電話・緊急指示を含めた
なりすまし対策の整理・ルール設計についてもご相談を承っています。
気になる方は、お気軽にご相談ください。
※2026年1月時点の情報です。
最新情報は各公式サイトで確認してください。
■ 参考情報
- Fortinet公式ブログ - 2025年12月24日の悪用警告
- BleepingComputer - 2025年12月27日報道
- CBA - ボイスフィッシングの脅威レポート
- Forbes Japan - AIによる成りすまし詐欺の分析
- Levtech - 香港ディープフェイク詐欺事例
- ZDNet Japan - CEOなりすましディープフェイク音声詐欺
- SBbit - OpenAI Voice Engine技術解説
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
弊社の社名となっている「レジリエンス」は、
「回復力」や「弾性」を意味する英単語です。
つまり、環境の変化や突発的な事象に対して
しなやかに粘り強く対応していく
立ち位置を意味しています。
目まぐるしく変化する時流の中で、
それを見極めつつ流されない解決策を提案致します。
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サイバーレジリエンス株式会社
日本レジリエンス株式会社
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東京都中央区日本橋兜町17番1号
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