南海トラフ地震臨時情報のその後 ~「お盆の空騒ぎ」にしてはいけない理由~
お盆休みを控えた今月8日
政府から「南海トラフ地震臨時情報」が発令されました。
これは、南海トラフ(四国沖に存在する海溝の名称)沿いで
異常な現象が観測された場合、もしくは、
その他の条件を踏まえて地震発生の可能性が
想定的に高まっていると評価された場合に
気象庁から発表されるものです。
「注意報」や「警報」ではなく「臨時情報」なので、
何についての臨時情報かの付記と共に発表されます。
今回は、この付記内容が「巨大地震注意」となっており、
また、「社会経済活動をつづけながら1週間は備えを確認頂きたい」
との内容であったため、(内容の後半部分に敏感に反応した結果として)
イベントの自粛や旅行のキャンセルが相次ぎ、
億単位の機会損失を主張する自治体が複数見られます。
しかし、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の例に漏れず、
1週間後には自粛は解かれ、2週間半が過ぎた今では
社会の対部分においては存在すら
無かったかのように扱われています。
まさに「お盆の空騒ぎ」
とでも言いたくなるような状況です。
しかし、過去3回の南海トラフ地震を振り返ると、
空騒ぎにしてはならないと筆者は考えます。
過去3回の事例を時系列で追っていくと、
いずれも、その前後に比較的大きな地震が
各地に相次いで発生しています。
これらは当該自身の前震や余震、
或いは誘発地震とも考えられます。
そして、周期的に地震活動が
活発になっているとも読み取れます。
また、この度の臨時情報で
「1週間」との文言が追加されたのは、
「緊張状態に耐えられる期間」を
考慮したものであることを踏まえると、
南海トラフ地震はいつ起こってもおかしくなく、
また、地震活動が活発化していることを前提に、
日々の生活や業務をこなしていくこと
が望ましいと考える次第です。
つまり、この度の南海トラフ地震臨時情報を
「お盆の空騒ぎ」にしてはならないと
筆者は考えます。
そして、IT・セキュリティの業務に従事している皆様には、
改めて、IT-BCPとDRPの見直しと
必要に応じての改善を強くお勧めします。
※こちらは、執筆時点2024年8月28日での情報に基づいて書かれています。
従って、その後に明らかになった事などが
内容の充足度合いや正確さに影響を及ぼしている可能性が有ります。
弊社の社名となっている「レジリエンス」は、
「回復力」や「弾性」を意味する英単語です。
つまり、環境の変化や突発的な事象に対して
しなやかに粘り強く対応していく立ち位置を
意味しています。
目まぐるしく変化する時流の中で、
それを見極めつつ流されない解決策を提案致します。
そして、弊社は、ITインフラとセキュリティの
プロフェッショナル集団として多数の実績を誇る
株式会社アイロバと密接なパートナー関係にあります。
同社はWAFのBlueSphereをはじめとした
国産独自開発のソリューションも多数保有し、
同時に、インターネットから脆弱性の露出状況を
把握できるSecurityScorecardの国内代理店でもあります。
【監修】
サイバーレジリエンス株式会社 CTO 米沢 和希
■CISSP-ISSAP(情報システムセキュリティプロフェッショナル認定)
■CISA(公認情報システム監査人)
■PMP (プロジェクトマネジメントプロフェッショナル国際資格)