サイバー攻撃で全米の自動車販売の伸びが減速~思いがけない大きな影響~

「風が吹けば桶屋が儲かる」とは、
或る事象が思いがけない結果を
もたらすことを意味する言葉です。

そして、2024年7月2日、米国で発表された統計に
非常に興味深いコメントが付いていました。

それは、

「全米の約半数の自動車販売事業者へ
ソフトウェアを提供数CDKグローバルへの
サイバー攻撃により、第二四半期(4月~6月)
における米国内の新車販売数の伸びが減速した」

というものです。

具体的には、GMやフォードの販売台数が
当初の見込みより5~6%減少し、
金額では約10億ドル(日本円で約1,600億円)
にも上るとのことです。

このCDKグローバルへのサイバー攻撃は、
6月19日に発覚しました。

その後、約2週間を経て今月の9日になって
おおむね回復したとの報道がなされています。

この期間に米国独立記念日(7月4日)
の休暇が含まれていたこと、および、
自動車販売事業者におけるシェアの高さを
踏まえても影響の大きさに驚かされます。

提供者側における対策の重要性は言うまでも有りませんが、
使用者の側でも万が一の場合のための計画を
立てておくことの重要性を示したとも言えます。

なお、冒頭で紹介した「風が吹けば桶屋が儲かる」とは、

「風が吹くことで、土ぼこりが舞い散り、
目の病気で失明する人が増え
(江戸時代は肥汲み業者が道を往来していたので、
土ぼこりには細菌が多く含まれていた)、
失明した人が三味線奏者となる
(江戸時代は障碍者保護の一環として
三味線奏者や按摩などの職業は
盲人のみが就くことができた)
ことで猫の革の需要が増え猫が減る、
猫が減ったことでネズミが増えて
桶をかじって桶の買い替え需要が発生する。
故に桶屋が儲かる」

というものです。

世の中には複雑なメカニズムが
存在するということ端的に表した
名言ではないかと筆者は愚考します。

弊社の社名となっている「レジリエンス」は
「回復力」や「弾性」を意味する英単語です。

つまり、環境の変化や突発的な事象に対して
しなやかに粘り強く対応していく
立ち位置を意味しています。

目まぐるしく変化する時流の中で
それを見極めつつ流されない解決策を提案致します。

※こちらは、執筆時点2024年7月10日での情報に基づいて書かれています。
従って、その後に明らかになった事などが
内容の充足度合いや正確さに影響を及ぼしている可能性が有ります。

そして、弊社は、ITインフラとセキュリティの
プロフェッショナル集団として多数の実績を誇る
株式会社アイロバと密接なパートナー関係にあります。

同社はWAFのBlueSphereをはじめとした
国産独自開発のソリューションも多数保有し
同時に、インターネットから脆弱性の露出状況を把握できる
SecurityScorecardの国内代理店でもあります。

【監修】
サイバーレジリエンス株式会社 CTO 米沢 和希
■CISSP-ISSAP(情報システムセキュリティプロフェッショナル認定)
■CISA(公認情報システム監査人)
■PMP (プロジェクトマネジメントプロフェッショナル国際資格)