「贋金」を使ったおとり捜査 ~FBIが犯罪捜査のために「贋の」暗号資産を作成~

我が国と異なり、米国では共犯者に成りすまして
犯罪を取り締まる「おとり捜査」が広く用いられています。

特に、組織犯罪に対して、多くの適用事例が存在します。
そして、この度、米国FBI(連邦捜査局)は、
おとり捜査用に暗号資産を作成し、
それを市場操作詐欺に使わせて、
取り締まることをした模様です。

米国司法省が2024年10月9日に発表した内容によると、
18の個人と団体を偽装取引で起訴したとのことです。

報道されている内容によると、この暗号資産は
「NexFundAI」と名付けられた
イーサリアムベースのもので、
おとり捜査用に作成されたもののようです。

そして、この暗号資産における見かけ上の価値を
向上されるための偽装取引を
複数の事業者に持ち掛けた結果、
今回の起訴につながりました。

暗号資産は、自国の貨幣や中央銀行が
不安定な国での決済手段として、また、
投資・投機の対象として、広く使われています。

同時に、一般的な銀行を介さない取引が可能になるので、
犯罪組織にも広く用いられることになりました。

米国政府はその実態を予てから憂慮しており、
暗号資産の流通を追跡することを行ってきました。

2021年に発生したColonial Pipelineの
ランサムウェア被害の際には「身代金」
として支払われたビットコインの大半を
押収したこともあります。

しかしながら、今回の捜査は、
更に踏み込んだものであるともいえ、
今後の米国司法省の対応が注目されます。

※こちらは、執筆時点2024年10月16日での情報に基づいて書かれています。
従って、その後に明らかになった事などが
内容の充足度合いや正確さに影響を及ぼしている可能性が有ります。

弊社の社名となっている「レジリエンス」は、
「回復力」や「弾性」を意味する英単語です。

つまり、環境の変化や突発的な事象に対して
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サイバーレジリエンス株式会社 CTO 米沢 和希
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■CISA(公認情報システム監査人)
■PMP (プロジェクトマネジメントプロフェッショナル国際資格)